21
MAY
2010

ターミナルタイム

(当時34歳)

目的地に到着するうえで中間点として立ち寄る場所。
駅、カフェ、そういう類い。
空港なんかもそう。
そういうターミナルポイントで立ち止まって、多めに一人一息つくときのこと。
そんな時間をターミナルタイムと名付けてみる。

ぼくの脳は人間観察を始める。
考え込む人、本を読む人、携帯をいじる人、携帯ゲームしてる人、眠る人、新聞を読む人、ヘッドフォンをする人、待ち人待つ人。
そして勝手にその前後のストーリーをその人ごとに空想してしまう。
映画ならある男女が一期一会の出会いを果たしドラマティックな展開が待っているのだろうが、そんなことは日常茶飯事には起こらない。
リアルに仕事をする人、新聞で情勢を確認する人、基本は「個」だ。

背景をモノクロにする。
ある「個」にスポットライトをあてる。
勝手にここにいる前後のストーリーを作る。

背景をモノクロにする。
また別の「個」にスポットライトをあてる。
勝手にここにいる前後のストーリーを作る。

背景をモノクロにする。
赤い鞄を手にしたフォーマルに身を包んだ若い女性が目に入った。
よく見ると鞄ではなく紙袋だった。
それはどうでもいい。鞄ってことにする。
それはブランドものってことにする。
現時点の目に映るそのものを作り直してしまうのは禁物だが、第一印象が大事。ある程度の誇張はかまわない。
まぁフィクションだし。

エクセシオールカフェにてモーニングセットを食しながら、ぼくは今、このターミナルタイムを満喫している。

こうした時間の使い方はずいぶんと久しぶりだ。
忘れていた感覚だ。
そしてこうした時間の大切さを思い出した。

さて、そろそろ仕事の時間だ。

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