27
MAR
2004

太宰治「斜陽」より

(当時28歳)

「僕が早熟を装って見せたら、人々は僕を、早熟だと噂した。
僕が、なまけものの振りをして見せたら、人々は僕を、なまけものだと噂した。
僕が小説を書けない振りをしたら、人々は僕を、書けないのだと噂した。
僕が嘘つきの振りをしたら、人々は僕を、嘘つきだと噂した。
僕が金持ちの振りをしたら、人々は僕を、金持ちだと噂した。
僕が冷淡を装って見せたら、人々は僕を、冷淡なやつだと噂した。
けれども、僕が本当に苦しくて、思わずうめいた時、人々は僕を、苦しい振りを装っていると噂した」

ハッとさせられる。
絶望。
そんな嫌な場所というか空気がある現実を知っている。
諦め。
そんな世界なら見たくない。

でも、だからといって目を閉じてしまっては、そこから光は見えないんだよね。
じゃあ、どうすればいいんだろう?

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