SEO 2013(CSS Nite LP29)

講演者
(敬称略)
理由と経路のマーケティング:住 太陽(SEO検索エンジン最適化)
SEOの最新トレンドに乗り損ねるな:鈴木 謙一(海外SEO情報ブログ)
スマートフォン向けサイトとGoogle検索:長山 一石(Google)
再審査リクエストの手続きの流れとそのポイント:金谷 武明(Google)
エンタープライズSEOプラットフォームで実現する自然検索のマネジメント:Ginzamarkets
キーワードツールでは辿り着けない、ユーザーインサイトの発掘メソッド:データアーティスト株式会社
SEOインハウス化の課題解決と、ROI最大化のためのキーワードマーケティング:アイ・エム・ジェイ
インハウスSEOのROIを高めるクラウドソーシング活用法:クラウドワークス
パネル・ディスカッション:インハウスでのSEOの価値向上対策:木村 將(エムスリー)、長束 鉄也(Retty)、山田 研一(Gengo)、三澤 直哉(楽天)、安田 英久(株式会社インプレスビジネスメディア)
事例で学ぶキーワードとカテゴリ:安川 洋(アユダンテ)
SEOを成功させる一覧ページの作り方:辻 正浩(so.la)
開催日
2013年9月21日
場所
ベルサール神田

理由と経路のマーケティング

検索エンジンの性能(クローリング/インデクシング/スコアリング)は向上している。
利用者が持ち寄った情報を掲載していくタイプの巨大サービス系サイト(はてなブログや七ピなど)や出展者が内容を作っていく巨大モールや、クチコミ系サイト(楽天市場、アマゾン、価格コムなど)はまだいいが、普通のサイトにおいて、検索エンジンの性能向上は、半ば強制的に、SEO担当者の従来の仕事を奪うため、SEO担当者の役割も変化していかざるを得ない。

すなわち技術からコンテンツへと舵を切る必要がある。

その前にまずは利用者の段階を知る。(心の声:疑問)利用者の段階はどうやって知るのだろう???

利用者の段階

段階ごとに、コンバージョン・必要な情報・集約手法が異なる

  特徴 対策
1.潜在客 顕在需要なし
2.見込み客(*) 顕在需要あり リスティング、ランディングページ
3.利用客 一度だけ利用 ニュースレター、ソーシャルメディア
4.顧客 複数回利用
5.得意客 ほかの人にもお勧めする
*見込み客
このエリアは少数。ある調査では、Webで過ごす時間は、53% コンテンツの閲覧、23% ソーシャルメディア、7% E-mail。
傾向としては、検索やショッピングの時間がぐっとなくなり、コンテンツ閲覧とソーシャルメディア利用が増え続けている、とのこと。さらにソーシャルメディア利用の23%が、そこに書かれているリンクをたどっている。(心の声)もはや旧型SEOの域を越えてる!!!
コンバージョン
「2.見込み客」を「3.利用客」は、数値化しやすく、ここが注目されがちだが、実際は「4.顧客」「5.得意客」を獲得することが安定な基盤を作ることになるので、注視すべき。

訪問する理由

コンテンツとは、文章や図版、動画なdの単体または組み合わせによって表現され、利用者に「教養または娯楽を提供」する制作物や著作物であり、販売用の売り込み(サービスアピール)ではない。つまり「自社商品の紹介書きました」は、コンテンツではないということ。

WEB (ページを閲覧する理由は)コンテンツ サービスPR
テレビ (チャンネルを合わせる理由は)番組 番組の合間にCM
新聞・雑誌 (読む理由は)記事 記事の合間に広告

オーガニック検索とリスティングは役割が違う

オーガニック検索はリスティングではない。つまり、調べ物をしている人が知識を得るために見る場所であり、売り込みを表示させる場所ではない。
見込み客に存分に売り込むために、検索結果には広告枠が設けらており、売り込みは広告を使うのが効率的。(心の声)確かに!普通は「まずはリスティング、SEOでできるようになったらリスティングをやめる」というのが常套手段なだけに、そのフローを否定するこの発言はインパクトでかい!

SEOとは何か

検索(質問)している人に、答え(役立つコンテンツ)を提供し、それによって自社が検索者にとって役立つ会社であることを示していく。これを続けることで、検索者(質問者)との関係を構築していく試み。

SEOのコンテンツとは、検索とは質問であり、コンテンツは答え。

自分たちが伝えたいことではなく、訪問者が知りたいことを中心にすることで、検索して見つけてもらうことができる。訪問者が抱えている課題や問題、悩みや不安。それにプロとして答えていくのがコンテンツの基本=訪問者が納得いくまで検索し続けるので、順位は関係ない。(心の声)順位は関係ない!!!ゴゴゴゴゴッ

経路を作る

公開しただけでは見てもらえない。見てもらうためには告知経路を整備しておかなければならない。告知経路の整備とコンテンツ作りは同時進行で進めていく必要がある。

訪問する経路
広告 見込み客集め セリングへ
再訪 更新のお知らせ コンテンツ経由でセリングへ
検索 能動的 コンテンツ経由でセリングへ
クチコミ コンテンツ経由でセリングへ

注目は再訪。再訪は、お知らせを受ける許可をしてくれた人であり、追加したコンテンツを最初に届ける相手。ここはクチコミの起点ともなる。

再訪を増やす(=経路整備)方法(古い順)

  • ニュースレター、メルマガを購読してもらう
  • RSSを購読してもらう
  • Twitterをfollowしてもらう
  • Facebookページにいいね!してもらう

SEO/SMOの完成

  1. 作成(有益で高品質なコンテンツを作る)
  2. 告知(多くの人の目に触れさせる)
  3. 拡散(話題になり多く見られる)
  4. 反応(フィードバック・リンクが集まる)

従来は告知がネックだったが、Facebook広告(初めての効果的な積極策)のおかげで今はネックがない!

司会者からの質問

テクニック重視からユーザー中心になった理由は?
「儲からなきゃ意味がない、その結果の流れ」(心の声)深いィーーーーーー!

SEOの最新トレンドに乗り損ねるな

SEOの定義

ユーザーの役に立つコンテンツを作成し、(ひきつけるコンテンツ)
それを検索エンジンに的確に理解してもらい、(クロール、インデックス)
検索結果で魅力的に表示して検索ユーザーにクリックしてもらい、(ランキング、卓越性)
訪問したユーザーを満足させる、(UX、コンバージョン)

セマンティックウェブ/セマンティック検索

ナレッジグラフ・カルーセル
たとえば、「トムクルーズ 映画」とGoogle検索した場合、検索結果上部にトムクルーズが出演している映画リスト(カルーセル)が閲覧できるし、検索結果サイドエリアには、トムクルーズに関連した情報が表示される(ナレッジグラフ)。検索エンジンにとってキーワードはただの文字列でしかない、からモノ、コト、人物、場所、とエンティティ(存在)を判別するようになってきた。
これは、次世代の検索を作り上げることに向けて、重要な意味を持つ。
「人間がするように世界を理解するようになる」
検索の仕組みを根本から覆すパワーを秘めている。
構造化データ
構造化データは今のところ検索順位には影響を与えないが、構造化データに対応した検索結果は従来と表示形式が異なり、より視点を集めるため、クリック率がちょっと上がる。
Googleがサポートするリッチスニペットはいろいろあるが、これから始めるなら、大手が対応している、schema.org に対応させるとよい(構造化データを支援するサービスはGoogleからいろいろ出ている)。(心の声:疑問)たとえば、RDFaとマイクロフォーマッツの二つを使って構造化することは意味あるのか?それともどちらかだけでよいのか?

モバイル対応

Google調べでは、4人に1人がスマホもっている。(心の声:疑問)さすがにそれは。。。

本当のモバイル対応は、モバイルユーザーが使いやすい、不自由しないサイトを提供することであり、この本質を見落としてはいけない。
Appleのサイトをスマホで見ると、PCと同じデザインが表示される。これもまたモバイル対応なのだ。

ペナルティ対象

  • 再生できない動画
  • 間違ったリダイレクト
  • スマホのみ404
  • XXX
  • 不適切な相互リンク

著者情報 Authorship

Google+ で個人名、個人写真を登録する必要がある。

メリット

  • 検索結果でのCTRアップ
  • 認知度・信頼度アップ
  • スクレイピング対策(オリジナルの著者の証拠)

今はランキングに反映しないが、その人の投稿だからという理由で検索結果の上位に出てもいいという考えもあるとのこと。

ブランド構築

ウェブで勝利したいなら、人々が知っていて、信頼し、共有するブランドになれ by ランド・フィッシュキン

事例で学ぶキーワードとカテゴリ

事例サイト:waja(ワジャ)海外ファッション通販サイト

SEOとは何か?二つの視点

何に対して最適化するのか?

  1. ユーザーの視点
  2. 検索エンジンの視点

ユーザーの視点:キーワードの種類と対策

自分の意図にあったページを表示してほしい
→意図を検索語に込めて入力
→目的のページがあったら「説明文を読んでから」クリック
→目的に合わなかったら、戻るボタンをクリック、さらに先をみる

ポイント

  • キーワード!キーワード!キーワード!
  • 検索結果=SERPsを見て、買いたくなるか?
  • ファーストビューに、ユーザーが最初にしたくなる絞り込みが表示されて、クリックしやすくなっているか?
  1. 検索ワードからキーワードをセグメントする
  2. セグメントごとにコンテンツと施策を考える

検索エンジンの視点

canonicalは使うな(使わなくてもできる)!
この場合だけは使用してもよい

  • 重複コンテンツ
  • 商品数が0
  • 並び替え、一部の絞り込み

主軸をメインにURLを構築し、ぱんくずもこれに合わせる(検索エンジンが主軸を強く認識)


SEOを成功させる一覧ページの作り方

SEOを成功させる3軸、どれがかけてもうまくいかない。

  1. マーケティング視点
  2. コンテンツ・リンク
  3. 技術要件
    └技術要件が必要なサイト規模

    • 数十ページ:不要
    • 数百・数千ページ:ここから必要になってくる
      └この規模でよくあるサイト構造

      • トップページ
      • カテゴリ/一覧ページ ←ここについてのセッション
      • 商品/詳細ページ

このセッションでは、中規模以上のサイトにおいてSEO技術要件は大事!その中で一覧ページにフォーカス。

SEOを成功させる一覧ページの作り方

一覧ページの役割は、1ページ目を特定キーワードで評価させ、より多くのページにより良い内部リンクを渡すこと

特定ワードでランキングさせる

  • 一覧ページにもテキスト配置
  • 一覧ページのtitle要素を作り込む
  • 一覧ページへの内部リンク

一覧ページにもテキスト配置

  • リスト上部にテキスト
  • ソース上部の共通情報を減らす(例:絞り込みフォーム)

一覧ページのtitle要素を作り込む

  • 例:LINEの使い方徹底ガイド 116記事
  • title h1 要素にページ番号(例:<h1><a>カメラ</a>2ページ</h1>)

一覧ページへの内部リンク

  • より多くのページを認識させる → ページ送りリンクの配慮
  • 重複コンテンツ化をさける → 一ページあたりの情報を増やす → 重複判定されづらい

内部リンクの最大限の活用:SEOの技術面では内部リンクが一番重要で、一覧ページは内部リンクを最も操作しやすいテンプレート。

内部リンク施策の効果

  • Webサイトによって全く違う
  • この半年でもかなり変わった
  • 検索エンジンがほぼ無視する内部リンクも増えている
  • ユーザを移動せせる内部リンクは評価されつづけている傾向

高度な内部リンク最適化のふたつの道

  • 実験を続けてアルゴリズムを追いかける(修羅の道)
  • ユーザ観点での内部リンクを突き詰める(平和な道)

それぞれのWebサイトの特徴や弱点をふまえたWebサイトに応じた最適化が効率的


総括

「SEO対策って何したの?」「検索エンジンに評価されやすいようにコーディングしました(技術要件)」

だめだめだめ!

これが通じるのは、住さんの言葉を借りれば、利用者が持ち寄った情報を掲載していくタイプの巨大サービス系サイト(はてなブログや七ピなど)や出展者が内容を作っていく巨大モールや、クチコミ系サイト(楽天市場、アマゾン、価格コムなど)であり、辻さんの言葉を借りれば、数百・数千ページ以上の中規模サイト以上での話し。

これからのSEOは、技術要件に加え(もしくは数十ページなら無視して)、有益なコンテンツの充実、そこに至る導線の整備が重要だと感じました。
これからはSEO改め、コンテンツマーケティングの観点からその中の一つとしてSEOを捉えていきたいと思います。