制作記事 運用情報web3「テクノロジーが予測する未来」を読んで

「テクノロジーが予測する未来」を読んで

gm.

昨年から「漠然と」気になっているのが、「メタバース」と「NFT」。
あまりにも抽象的に、それでいてその一端しか知らない。実際のところ、YouTube動画やWebページで概念のようなことを知った程度の知識しかない。それでも、その世界を知っておきたい。そんな最中「web3」というワードも聞くようになった。Web2.0 がバズワードとなる以前からWeb2.0というワードを使い、制作側としてガッツリ関わっている。その流れとして「web3」があるとしたら、もっと身近に捉えることができるのでは、と考えた。と同時に「なせWeb3.0ではなくweb3なのか」という疑問もある。

もともとWeb2.0というワードは、Webサイト制作において、よりリッチなデザインや動きができるようになったことの象徴して使われるようになった。それがより広義な意味として使われるようになり、web3が登場した今となっては、Web1.0は「read」、Web2.0は「write」、web3は「own(所有する)」という言葉が使われているそうだ。本書では、web3を「own」ではなく「join(参加する)」と表現されている。具体的には、Web1.0では、Amazonや楽天のようなECサイトや情報を検索して知りたいことを知るWebページ、これらは一方向的な使い方を意味して、Web2.0では、TwitterやFacebookのようなSNS、食べログやYouTube、InstagramのようなCGM、で情報を共有する双方向的(インタラクティブ)な使い方を意味する。そして、web3。

まず混乱を避けるために、いわゆるWeb1.0、Web2.0の流れでweb3がある、という考え方はやめたほうがいい。そもそも、Web1.0、Web2.0の流れでいうところのWeb3.0となりうる技術的方向性はあった。それを一言で言うならば、セマンティック・ウェブだ。Web制作者にとっては、Web3.0という言い方はさておき、セマンティック・ウェブ対応するのはスタンダードになっている。そして、meta情報の機能や重要性が大きく変化した。ところが、である。ここは声を大にして言っておきたいのだが、このWeb3.0とは異なる次元の、さらに壮大なビジョンで捉えらているのが、web3、ということだ。

本書は「働き方」「文化」「アイデンティティ」「教育」「民主主義」という章で構成されている。この章タイトルを見るだけで、web3のスケールの大きさをうかがい知ることができる。

web3とは?

あらためて本書の目次にある章タイトルを抜粋してみる。

  • 働き方(仕事は、「組織型」から「プロジェクト型」に変わる)
  • 文化(人々の「情熱」が資産になる)
  • アイデンティティ(僕たちは、複数の「自己」を使いこなし、生きていく)
  • 教育(社会は、学歴至上主義から脱却する)
  • 民主主義(新たな直接民主制が実現する)

そして、締めくくりとして「すべてが激変する未来に、日本はどう備えるべきか」という章で終わる。

このマインドって学生時代〜30代で長いこと強く理想と感じていたことだ。
ぼくが大学卒業後すぐに正社員の道を歩まなかったことに、そして40歳を転機に独立したことにつながる。就職活動をはじめて違和感がある学生さんにとって、web3の構想は魅力的に映るのではないだろうか。そんな学生さんが純粋に羨ましい。30年後に生まれたかった(笑)。
web3。生活に浸透していけば最高ではあるが、こういうムーブメントが起きている、その事実だけでも嬉しい。ただ今のぼくにとっては、web3はまるで雲をつかむような存在だ。少しでも理解を深めて、どうにか絡みたい。

まず言えることは、web3は社会そのものの仕組みに大きく関わること、と言って過言ではない。

本書を通じて、自分なりに解釈したこと 1

次世代インターネットとは、プロトコルレイヤーから変わる。http/ftp から ビットコインやイーサリアムにシフトする。オンライン上で仮想通貨やトークン(NFTはトークンの一種)のやりとりをする。ここにコミュニケーションの要素が加わったものがメタバース。

DAO(Decentralized Autonomous Organizationの略)。日本語訳は「分散型自律組織」。
これまでの会社は「株主、経営者、社員、契約社員、アルバイト」という構図があるが、DAOにはそもそもこの構図は存在しない。会社に属するのではなく、プロジェクト単位で、プロジェクトの思い入れ具合に応じて、「閲覧 → 発言 → 本気で参加する」と変化する。つまりコミット具合によってプロジェクトに対する責任も貢献度も変わっていく。まったく新しい働き方。

NFTは儲かるのか?という問い自体は違和感がある。NFTの価値は「体験」を含めた代替不可能であるということ。「儲かりそうだから買う」よりも「好きだから買う」のほうが、web3のおもしろみを体験できる。

ウォレットは透明性が高く誰でも閲覧できる。そのため、どんな取引をしているのか、という履歴を通じて、人的評価されるというのも特徴(プライバシーの問題に関わりそうではある)。リアルな社会で、その場その場の「顔」があるように、バーチャルな世界でも、その場その場の「顔」を作ることができる。その「顔」ごとにウォレットを複数持つ、ということも考えられる。

メタバースに感じた違和感・問題点

メタバースには興味あるが、メタバースの世界なら見た目や性別、人種、障害の有無などによる差別から解放される、というのは完全な誤認だと思う。確かに、見た目や性別、人種、障害の有無が関係のない世界であっても、それはよりコミュニケーション能力や性格、能力が強調される、とも言える。
友達になりたいと思った相手から嫌われたり、気になってくれた相手ではあるけど距離を置きたい、ということは起こり得ることで、好き嫌いから派生して対立や差別が生まれるのは世の常。
また、社交性を身に付けないと、うまく立ち回れないのはどこにいても同じだと思う。

本書を通じて、自分なりに解釈したこと 2

誇大解釈してweb3を捉えてみる。

全世界共通の新しい通貨(仮想通貨)を社会に取り入れることが前提の世界。
ちなみに、これまでの現金と株や証券という従来の通貨の世界をフィアットエコノミーというのに対して、イーサリアム、ビットコインというようなブロックチェーンという技術を使った暗号資産の正解をクリプトエコノミーという。

現金で仮想通貨を購入したり、仮想通貨を現金にすることができる。
銀行にお金を預けて引き出すような感覚とイメージは同じ。実際には仮想通貨を現金にする際、そこで得た利益が20万円以上の場合は課税対象となり、その税率はFX(外国為替証拠金取引)で得た利益は仮想通貨と同様に雑所得して扱われ、結構な税率となっているのは注意したいところ。
そのため、web3に関わる事業をはじめる方々は日本で起業しないことが多いらしい。未来ある日本の起業家が海外発となることを意味し、日本の国力を低下させることにもつながる。社会派の記事ではないが、政治家の方々は注視ではなく積極的な対策を打ち出してほしいものだ。

最後に、本書を踏まえて自分なりにweb3がどうすれば浸透するのか考えてみた。その結論はコレだ。

仮想通貨がコンビニやリアルな商品の決済にも利用できるようなったとき、本当の改革がはじまる

まずはココなんだと思う。現実として仮想通貨を現金化した際に、あり得ない税金を取られるのであれば、すべての取り引きが仮想通貨だけでやり取りされればいい。さすがに極論すぎて、この主張を受け入れる国は税金制度がない場合に限られる。つまり、事実上あり得ないことで、税金の代わりに国益を担保できる制度ができない限り、仮想通貨が浸透するのはなかなか困難になってしまうかもしれない。

なかなか危ういなと感じるのは、ブロックチェーンという技術を使って「その商品は本物で、その所有者は私です」ということが証明できるというが、同じことは昔ながらの同じ商品でも個体差をつけるためにシリアル番号が用意されていることだ。つまり、ここにフォーカスしてしまったら仮想通貨の導入は難しいのではと思ってしまう。この発想自体が古い人間の象徴かもしれないのだが…。

頻出ワード

本書を読んで、概念的な理解ができた。
DAO / トークン(ファンジブル=通貨・証券、ノン・ファンジブル=NFT)/ 分散
次は、このあたりの理解をもっと深めたい。