- 講演者
- 江尻 俊章(環)
鈴木 富士雄(マクニカ) - 開催日
- 2009年1月15日
- 場所
- アップル銀座店
アクセス解析の歴史
- 2000年まで
- もともとアクセスログは、たとえばサーバーが落ちてしまうのはいつなのかというように、「監視」するために利用されていた。
- 2000年から2005年
- 「カウンター」が爆発的ヒット。特別な知識や労力を必要とせず、手軽に導入できるASPサービスが出始める。
- 2006年
- Google Analyticsの爆発的普及
- 2007年
- 解析範囲の拡大
- 2008年
- 分析した結果がリアルタイムに広告に反映させるという使い方が登場したりする
そもそもアクセス解析って?
アクセス解析で取得する数値というのは「結果」の数値であり、未来値ではない。
過去の数値をもとにいろいろ分析するのって、会計に似ている!!
利益 = 売り上げ - 経費 コンバージョン = 流入 - 離脱
コンバージョンが赤字(マイナス)になることはないが、あくまで見た目であって付加価値の部分は見えない点に注意。
会社の業績を見るのに、まず全体を見て、そこから問題点を絞り込んで行く。アクセス解析も同様に、まずは全体の流入(リンク元)と離脱(離脱ページ)を見て、そこから問題箇所を掘り下げて行くことで、正しい施策・改善を実施することができる。
どのように掘り下げていくかといえば、たとえば、売り上げが異常に増えていないか?キャンペーン効果は?いうことを調査したり、失敗キーワードの解析、クロス販売解析、内部キャンペーン解析、ランディングページ解析
といったクロスメディアの解析を実施するのもあり。その内容を踏まえて、ページ、サイト内、リスティング、ランディング、会員向け、行動、コンバージョンの最適化を実施する。
アクセス解析
キーワードとフレーズの違い
アクセス解析に登場する「キーワード」と「フレーズ」。どう違うのだろうか?名称から想像できるとおりですが、たとえば「アクセス 解析」で検索された場合、キーワードは「アクセス」1回、「解析」1回とカウントされ、フレーズは「アクセス 解析」1回とカウントされます。
離脱率が高くなる原因
サイト運営者側で改善できる箇所とユーザの動向が多種多彩化されているのにアクセス解析の機能が追従できていないため解析不能(アクセス解析制作側の課題)な箇所があり、その見極めは難しいが、離脱率が高くなる原因は下記
- 改善できる箇所
-
- 突然コンテンツが長くなる
- リンクの区別がつきにくい
- 解析できない箇所
-
- 検索エンジンの普及
- RSS
- タブブラウザ
などなど。また、同列にある他ページと比較して離脱率の差が大きい場合、その中身を比べることも大事。
ページ経路
経路から問題発見は実は難しい
- そのページのアクセス
- そのページ全体の離脱
- その経路のアクセス
- その経路の離脱
経路だけを見るのではなくて、全体を見ないといけない
日別で、ビューを見るとき
「月~金」「土・日」で分けなければ意味がない
KPI
目標値を設定し、それにどれだけ到達しているのかを計る
アクセス解析を利用した成功話
反応のないコンテンツを削除
ある地域に密着した不動産屋の話。
はじめは、取り扱っている分譲や賃貸などのすべてを掲載していたが、反応なし。そこでアクセス解析の結果、反応のないコンテンツをばっさり削除していき、残った一つのジャンルのみのサイトにした。そうすることで、今や業績の98%をWebが担うようになった。
・・・この考えは自分もすごく好き。ただ、これをクライアントに説明するのが難しい。クライアントに「切り捨てる勇気」を持ってもらうためには、双方の「覚悟」が必要だからなぁ。そのための成功例がもっとたくさん聞きたい。
どういう内容のコンテンツを書けばよいかが見える
あるセレクトショップの話。
とくにライティングの知識もないショップを運営する店長が、新作の紹介やレビューなどをWebにアップしている。
「何を書いていいのか分からない」ということから、アクセス解析で検索キーワードを拾って、そこを膨らまして記事を書くようにした。
Web経由の売上や予約数は当初の計画の倍以上、ブログを見て来店するパターンもあるという。
部長にアクセス解析を見てもらう
部長クラスのお堅い人に見てもらう(つまりは、わかりやすく、見やすいレポートを作成する)。さらに全員が同じツールを使うことで、同じデータを共有し、問題を発見・改善へ導くことができる
・・・確かに。わかりやすく、見やすいってのは、かなりポイントだと思う。