関心を促すための資料作りのポイント。投資家向け、見込み客向け、潜在パートナー向け、の3種類。
投資家向け
スライド | 内容 | コメント |
タイトル | 組織名、自分の氏名・肩書、連絡先 | 聞き手がスライドを読める、それが組織のしていることを説明するさいの肝。「ソフトウェアを販売しています」「ハードウェアを販売しています」「学校です」「環境保護団体です」のように、そのものズバリを言う |
問題 | あなたが和らげようとする痛みの種類を述べる。目標は全員をうなずかせ、その理解を取りつけること | 使うあてのない解決策だと思われないように。将来の市場規模に関するコンサルティング会社の調査を引用するのは極力やめる |
解決策 | 痛みをどう和らげるのか、どんな意義を見出しているのかを説明する。聞き手があなたの売るもの、あなたの提供価値をはっきり理解できるようにする | 突っ込んだ技術説明の場ではない。どうやって痛みを和らげるのか、その要点だけを示す。たとえば「ディスカウントトラベルのウェブサイトです。他のすべての旅行サイトを検索し、見積価格をひとつの報告書にまとめるソフトウェアを開発しました」のような。 |
ビジネスモデル | いかに儲けるのかを説明する。顧客は誰か、販売チャネルは、粗利は? | 概して、未実証のユニークなビジネスモデルは怖い。本当に革命的なビジネスモデルがあるなら、おなじみのビジネスモデルの言葉でそれを説明すること。すでにあなたの製品・サービスを使っている組織名を出すなら、ここがよい |
製品・サービスの目玉 | 製品・サービスを背後で支える技術、秘術、魔術を述べる | 文字が少なく図表やフローチャートが多いほどよい。白書や客観的証拠も有効 |
マーケティング・販売 | どうやって顧客にリーチするのか、マーケティングのレバレッジポイントはどこかを説明する | さほどお金のかからない効果的な市場到達戦略があることを納得させる |
競合 | 競合状況を十分に示す。説明不足より説明しすぎのほうがよい | 競争相手を小バカにしてはならない。顧客、投資家、従業員を問わず、みんなが知りたいのはなぜあなたが優れているのかであり、なぜ競争相手がダメなのかではない。 |
経営陣 | 経営陣、取締役会、顧問団の主要人物、主な投資家を紹介する | 完璧なチームでなくても恥じることはない。どんな新興組織も経営陣に欠点はある。本当に大切なのは、欠点があることを承知し、それを直そうとしているかどうかである |
財務予測と重要指標 | 五年間の予測を提供する。金額だけでなく、顧客数、転換率などの重要指標も盛り込む | ボトムアップ方式の予測をする。長めの販売サイクルや季節性を考慮する。予測のもとになる仮説を理解してもらうことが、数字そのものと同じく重要 |
現状、ここまでの成果、スケジュール、資金の用途 | 製品・サービスの現状、当面の見通し、調達しようとしている資金の用途を説明する | プラスの材料や傾向を詳しく語る。最後に実行への姿勢を示す |
見込み客向け
スライド | 内容 | コメント |
タイトル | 組織名、自分の氏名・肩書、連絡先 | 聞き手がスライドを読める、それが組織のしていることを説明するさいの肝。「ソフトウェアを販売しています」「ハードウェアを販売しています」「学校です」「環境保護団体です」のように、そのものズバリを言う |
問題 | あなたが和らげようとする顧客の痛みを述べる | 顧客のかかえる痛みについて述べているという確信を持つこと |
解決策 | 痛みをどう和らげるのかを説明する | 突っ込んだ技術説明の場ではない。どうやって痛みを和らげるのか、その要点だけを示す |
販売モデル | 聞き手があなたの売るもの、あなたの提供価値をはっきり理解できるようにする | すでにあなたの製品・サービスを買っている組織名を出すなら、ここがよい。この点について説得力ある話があるなら、「現在の顧客」というスライドを別途加えるとよい |
技術 | 製品・サービスを背後で支える技術、秘術、魔術を述べる | 文字が少なく図表やフローチャートが多いほどよい。白書や客観的証拠も有効 |
実演 | できればここで、製品・サービスの生実演に移る | 実演はうまく行えば千のスライドの価値がある |
競合 | 競合状況を十分に示す。説明不足より説明しすぎのほうがよい | 見込み客がどんな競合製品・サービスを使っているかを事前に調べる。できれば、見込み客がそれについてどんな問題をかかえているのかも。ただし競争相手を小バカにしてはならない。顧客が知りたいのはなぜあなたが優れているのかであり、なぜ競争相手がダメなのかではない。 |
経営陣 | 経営陣、取締役会、顧問団の主要人物、主な投資家を紹介する | この目的は、見込み客が新興組織から安心して製品・サービスを購入できるようにすること |
次のステップ | お試し期間、試験導入などの「実施要請」で締めくくる |
潜在パートナー向け
スライド | 内容 | コメント |
タイトル | 組織名、自分の氏名・肩書、連絡先 | 聞き手がスライドを読める、それが組織のしていることを説明するさいの肝。「ソフトウェアを販売しています」「ハードウェアを販売しています」「学校です」「環境保護団体です」のように、そのものズバリを言う |
問題 | あなたが和らげようとする顧客の痛みを述べる | 潜在パートナーがあなたと同じ顧客に販売している、または販売したがっていることを確認する |
解決策 | 顧客の痛みをどう和らげるのか、また定型によって何がよりよくなるのかを説明する | 目標は2+2=5になるとパートナー候補に思わせること |
提携モデル | 提携がどう機能するのかを説明する。だれが何をいつ、どのように、なぜ行うのか? | このスライドは前のスライドの効能を継続させる、つまりシナジーをますます明白かつ魅力的にする必要がある |
製品・サービスの目玉 | 製品・サービスを背後で支える技術、秘術、魔術を述べる | 文字が少なく図表やフローチャートが多いほどよい。狙いは、あなたの製品・サービスが特別であると潜在パートナーを納得させること |
実演 | できればここで、製品・サービスの生実演に移る | 実演はうまく行えば千のスライドの価値がある |
競合 | このスライドは任意。これを省く主な理由は、あなたよりよい提携先を相手に知らせないこと | |
経営陣 | 経営陣、取締役会、顧問団の主要人物、主な投資家を紹介する | この目的は、パートナー候補が新興組織と安心して協業できるようにすること |
次のステップ | お試し期間、試験導入などの「実施要請」で締めくくる |
感想
活字だと、重く感じるかもしれないが、書かれていることはシンプル。
また、こういうテンプレート的な情報は書籍やネットで見つけることができるが、ありがたい。肝心な中身に時間を割くことができ、構成を考える時間を省いてくれる。
企画書と似ている。
製品・サービス利用者ではなく、投資家向け、見込み客向け、潜在パートナー向けとしているところが肝かなとも感じる。