制作ブログ 映像制作カメラトーク動画用カメラを選ぶ〜CPプラス2021〜

動画用カメラを選ぶ〜CPプラス2021〜

2021年2月25日から28日までの4日間、カメラと写真・映像の祭典、CPプラス2021が開催されました。毎年開催されているCPプラス。昨年はCOVID-19の影響で残念ながら中止となってしまいましたが、今年はオンラインのみで開催されました。

CPプラス2021のセッションを通じて、動画を撮影するためにカメラを買うとしたら?を考えてみました。

結論から言うと、LUMIX S5 もしくは SONY FX3 のどちらかとなりそうです。

LUMIX S5

スペックの話しではなく、様々なセッションでS5を通して映し出された作品の数々が、他社の作例を圧倒していました。

今更ながら、数年前にSony α7IIIが発売されたときの衝撃と同じ気持ちを、このLUMIX S5に感じています。

LUMIXのフラッグシップ機、S1H

ちなみにフラッグシップ機S1HとS5はどちらの方が「買い」なのでしょうか。
CPプラス2021のLUMIXブースで受けた個人的な印象としては、最前線で映画やドラマ撮影で活躍されている方にも耐えうるのが、S1H。一人もしくは少人数で限られた予算内で小回りする撮影ならS5。勘違いしていたのは、S5が単純にS1Hのダウングレードというわけではないということです。そのため、ぼくの場合は、迷いなくS5を選択します。

シネマラインとして新登場、Sony FX3

結論としては、Sonyであれば、FX3もしくはα7IIIの後継機を待つ、というのがぼくの選択です。

2021年2月24日、SonyからFX3が発表されました。
かなり興奮したのですが、そのスペックと小売販売価格を見て、少し冷静になっています。

というのも、このFX3は、2021年10月に発売されたばかりのα7SIIIの性能はそのままに外観を変えた、という印象になっていることです。そして市場想定価格がα7SIIIより数万円高額になっていることです。

α7SIIIが発表されたときは、そのスペックに衝撃が走りましたが、価格を知って迷いなく諦めました。1、2年待って、同等のスペックが半額くらいで買える時期を待つか、Blackmagic DesignのBMPCCシリーズの後継機に期待しようと思えました。

それなのに、です。

マーケティングの巧さに脱帽

完全にSonyのマーケティング戦略にやられています。
もしFX3が、FX3という名前ではなくα7Cのようなαの新しいシリーズとして発表されていたら、今ほど興味を持っていなかったでしょう。
シネマラインの系譜として発表されたことで強烈に興味があるのです。

せめてフォルムがシネマラインを踏襲してボックスタイプに小型化されていればシネマラインとしてスッと受け容れていたでしょう。むしろ一眼カメラなフォルムで、シネマラインとして発表されたことに違和感があります。
そして、そんな違和感に対応するためか、公式スペシャルコンテンツでは、FX6、FX3、α7SIIIが同列に紹介されています。

ぼくの勝手な推測ですが、より動画に特化したFX3をベースにボックス型に進化したニューモデルが早い段階で発売される気がします(期待も込めています)。また、α7SIIIを持っているユーザーがFX3に買い替えるのはソニー信者だろうと思っています。そうなるとFX3がずっと市場に残るとは思えず、α7のRシリーズやSシリーズのように数年で大幅な価格改訂がありそうなのが、正直、FX3の購入をためらう原因の一つでもあります。

そして、FX3とα7SIIIとFX3とFX6とを比較して、他社カメラの検討を忘れてしまう点に置いてもマーケティングの巧さを感じます。

とはいえ、どのメーカーも企業努力で、新製品を次々と発表していきます。
どのくらいのスペックがどのくらいの値段で手に入るようになったら購入するというラインはある程度、自分の中で持っていたいものです。

動画撮影としての性能で求めていること

2018年、α7IIIを手にしたときから、次に購入するカメラに求める最低条件は明確に決まっていました。α7IIIを購入した直後に発表されたBMPCC 4K。そこに取り入られていた、「4:2:2 10bit Raw」というスペックと圧倒的なコスパにはただただ目がキラリとしていました。

そう、ぼくの中で、明確な最低スペックは、4:2:2 10bit での動画撮影。

これをマストとしたことで、α7III購入後にに発表される魅力的なカメラに心揺れても、購入欲を抑えることができました。

2020年、いよいよ4:2:2 10bit 対応カメラ機が各メーカーから出始めましたが、まだまだコストの面で手が出ません。
Blackmagic DesignのBMPCC 6Kが大幅に価格変更したときとBMPCC 6K Proが発売されたタイミングでは心揺れましたが、キヤノンEFマウント、ゲージ、バッテリー、諸々考え始めたら総額は高額になったので諦めることができました。

α7IIIの後継機を待つ

というわけで、Sonyであれば、α7IIIの後継機に期待する。これがぼくの選択でした。そして今となっては、その後継機が、LUMIX S5 と比較検討しても迷わないスペックと価格であることを切望しています。

FX3とα7SIII、α7Cとα7III

FX3とα7SIIIの関係は、α7Cとα7IIIの関係より密接に感じます。α7Cはα7IIIより性能が良いところもあれば、機能として劣るところもあります。しかしながら、α7SIIIとFX3の違いは、YouTubeレビューや公式サイトで確認する限り、外観のフィジカルな機能の差による使い回し以外には同じである気がします。そして使いやすさは慣れでカバーできることだと思います。

それなのに、FX3を選択肢に残るのはなぜでしょうか。

分かっているけど、FX3

なぜ、α7SIIIが発売されたときは冷静に購入見送りできたのに、FX3では同じようにでできないのでしょうか。その理由はよく分かっています。シネマライン、としてラインナップされたからです。ブランディングマーケティングに流されていることはよく分かっています。分かっているけど、FX3に惹かれてます。

実際にソニーストア銀座店に行って、発売前のSony FX3を試してきました。
欲しい!という気持ちは強くはなりましたが、買う!という決定打には至りませんでした。
発売時期がもう一年遅れてもいいから、その変わりにコスパ最強で販売されていたら即買いしたことでしょう。

もし、CPプラス2021でLUMIXブースのクオリティでFX3が紹介されていたら、購入を決意していたかもしれません。それほど、LUMIX S5のインパクトは強く残っています。LUMIX S1プレゼントキャンペーンに万が一当選していたら、LUMIXに乗り換える気持ちでいたほどです。

LUMIX S5、Sony FX3以外の気になるカメラ

少し冷静になったところで、LUMIX S5、Sony FX3以外だったら、と考えてみます。

Blackmagic BMPCC 4K

2018年にBMPCC 4K が発売されたとき、前機種BMPCCが3万円くらいで中古市場に出回っているのは知っていたので、数年したらBMPCC 4Kも中古市場では破格になっていることを期待していました。しかしながらこれは大きな誤算で、今もなお定価に近い価格で中古取引されています。
2、3年前はカラコレ・カラグレに関する情報は全然見つかりませんでしたが、今となっては莫大に増えたことと、編集ソフトの使いやすさが劇的に向上したことで、挫折する人が減っていると推測しています。
マイクロフォーサーズ機として4Kの後継機が破格でリリースされることを期待していましたが、6K Pro が発表されたので、その選択は残念ながら諦めます。

Blackmagic Micro Cinema Camera

フルHDで4Kは撮れませんが、コスパとビジュアルが魅力的です。ただ、これをメインの動画撮影用とするのは、今のところ難しいと感じています。

Canon R5/R6

2020年8月に発売されたCanon R5とR6。
スペックは申し分なく素晴らしく、オフィシャル動画を見ても欲しいと思えるカメラです。
残念ながら熱問題があるらしく、動画撮影には向いていないという情報が出回っています。ファームウェアアップデートで改善されているかは確認していませんが、いずれにしても、Canonで動画を撮影するなら、あと2、3年後、2、3世代後の後継機を待ちたいというのが正直な感想です。

最後に〜撮影したいボルテージMAX〜

CPプラス2021が楽しすぎて、カメラ欲しい熱が高まっています。とはいえ実際にカメラを購入するかは、冷静に自問自答して答えを出します。

とはいえ、撮影したいというボルテージがMAXな今、何かをしないではいられません。