LUMIXブースでの岸田 浩和さんによるセッション「ドキュメンタリー制作の裏側〜どうやってインタビューしているのか?〜」。とても情熱があり、感動しました。アラフィフでもまだまだやれるという気持ちを与えてもらいました。
共感した部分や学んだことをピックアップして備忘録。
ドキュメンタリーとは
- ドキュメンタリーに決まった形はない
- 困難な道をゆく人の横で併走したり、迷っている人の背中をそっと押すことができる
- 「正解」を教えるのではなく、「議論のスタート地点」をつくる
- 題材は著名人やメジャーな話題でなくて身近でいい、「誰も知らない世界」を伝えることに価値がある
- 成功するかどうかは問題ではなく、チャレンジしている姿が作品となる
- 長い取材は有利になる(競合が減る)
- 俯瞰は必要だが、裏側を暴かなくて良い(同じ船にのる)
ドキュメンタリーの印象
日本のドキュメンタリー
分かりやすさが重視され、堅苦しい教材的なイメージが強い
海外のドキュメンタリー
ドラマやSFと並ぶ、コンテンツのジャンルで、映像美やエンタメ性も重視され、視聴者が議論して楽しめる作品が好まれる
ノーナレーション・ドキュメンタリー
ナレーションを用いない、ドキュメンタリーの手法の一つ
取材の申し込みと準備
- 事前に電話で依頼する
- メールで、正式な「取材申請書」を添付しお願いする
責任の所在と発表方法を明確にする
ドキュメンタリ撮影時に用意しておきたい出演許諾や書類 - 撮影前に一度会って、直接お話しする
取材の目的、取材期間やクルーの人数、希望の撮影場面、どこにどんな形で発表するのか、事前の確認有無
計画表を作る
不確定要素が多いため、作品創りのような絵コンテや香盤表などを事前に用意できない。そこで撮影し忘れがないように、撮影要素と場面を箇条書きにして用意しておく(どこ・だれ・どんな場面や物事・何を聞く)
ヒアリングのポイント
ヒアリングする際は、Yes/Noの答えではなく、相手にたくさん話してもらえるような質問を用意する。Yes/Noの質問をしてしまったとしても、リカバリをする。
- 最初に、話しやすい地元の話しなどでアイスブレイクする
- ワイプ芸人のように無言の相づちとリアクションをする
- 話し始めに1〜2秒間開けて、終わりに5〜6秒そのままにする
- 自分の話すスピードで、相手の話すテンポをコントロールする
- 「いつ」「誰と」「どんな」を聞いてから、「なぜ」「どのようにして」を聞く
- たとえ考えたり黙ったり回答に詰まったとしても焦らない。言葉を探している可能性が高いので、しばらくしっかり待つことも必要。
- 考えを整理してDOを導き出すために、コーチング方式やトヨタ式を利用する
将来どうなりたいか、現状の課題は何か、どうやって解決するか、今から何をするか - 撮影前に事前に質問を共有しておいて、現場でコメントをもらう。
「今何をしているのか?」「目的は?」そして、場が和んだところで、「過去や生い立ち」「内省」に関する話しをしながら深堀りしていく。
撮影の9グリッド
9つの素材(「場所 」「アクションや出来事」「人物」と「ワイド」「ミドル」「アップ」の掛け合わせ)が撮影できていれば、絵の変化と編集の自由度を上げることができる。
作品を構成する5つの素材
- 「場所」をあらわす、広角や空撮ショット
- 現場の空気感やディテールをあらわす「Bロール」
- 「出来事」や「アクション」を捉えたシネマ・ヴェリテ
- 展開や心情伝える「インタビュー」や「コメント」
- 「情報」としてのテキストテロップや写真、図表
構成の整理
編集素材は、日付ごと、さらに場面ごとに分けて管理する。
素材を元に、構成を組み立てる(便利アプリ:miro、ペタリ)。
ドキュメンタリー創りたい!
このセッションを受けて、速攻で思った。題材探しが難しいなら、自分自身で始めてもいいのでは?とも思う。どんなカタチであれ、まずはトライすることが大事だ。