以下、2007年12月21日、アップルストア銀座店で開催されたセミナー「CSS Nite x (r)evolution “Shift to 2008″」の中から、「Accessibility Shift to “Next”」でのプレゼン資料を抜粋し、自分なりにまとめました。
各製品の動向
ホームページリーダー(IBM)
- Vista/IE7非対応(事実上の開発中止)
- 今後は違った切り口でアクセシビリティに配慮(「aiBrowser」をリリース)
- バージョン3.04はバグが多く、3.01(3.02)が主に利用されている
aiBrowser(IBM)
- リッチコンテンツへの対応を主眼にした音声ブラウザ(マルチメディア・オーディオ制御機能、ユーザーによる注釈機能、アクセシブルなUIを提供するFennecなど)
- オープンソース化
NetReade(高知システム開発)
- PC-Talkerを開発する高知システムが新たにリリースした音声ブラウザ
- Web2.0、Flash、PDFなどのページの利用に威力を発揮(たとえば、見出し、箇条書き、テーブル、フォームなどへのジャンプ機能搭載)
Focus Talk(スカイフィッシュ)
- 機能強化(見出し読み機能追加、リスト特殊読み上げ機能付加、対応タグ付加)
NVDA(Jotspot)
- 無料でオープンソースのWindows OS用のスクリーンリーダー
視覚障害者の使用ソフト
- 93%がインターネットを利用
- そのうち3/4はインターネットを毎日利用
- Web利用時に使用するソフトは、ホームページリーダー、PC-Talkerが圧倒的
およそ400人を対象に調査された「視覚障害者のパソコン・インターネット・携帯電話利用状況調査2007」によるもので、説得力のある資料として利用する価値がありそう。
オープンソース化へ
Microsoft「User Interface Automation」
- MSAAの後継で、GUIアプリケーションの情報を支援技術に提供するモデル(API)
- アプリケーションごとに提供していたアクセシビリティ機能をOSレベルで実現
- テストツールの開発者ニーズにも対応
- オープンソース化
Adobe、Microsoftらが「AIA」を結成
- Adobe、Microsoft、HP、NovellなどのIT企業と支援技術開発企業とが「相互互換性」をキーワードに結成
- キーボード・ショートカットの標準化、アクセシビリティAPIの互換性向上などをはじめとする4つのテーマから着手
Google「AxsJAX」
- WAI-ARIA(*)を用いて、Google Readerをアクセシブルに。
- *
- WAI-ARIA。W3C/WAIが、Accessible Rich Internet Applicationのための仕様(画面上の情報や動的に変化する画面の情報を支援する技術など)を標準化。
- そのフレームワークをオープンソース化。
IBM「Accessibility Tools Framework」
- IBMが開発したツールやアプリケーション開発のためのソフトウェア基盤
- オープンソース・コミュニティのEclipse Foundationに寄贈
- まず、HTML、OpenDocumentFormat、Flash、JavaアプリケーションのGUI、アクセシビリティAPIに対応